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  • 執筆者の写真金森 亨

日本経済の生き残り方~海外投資収益は過去最高更新したが

更新日:2020年3月4日

本日(2020年2月19日)付け日経に「「海外投資で稼ぐ」勢い失う 昨年収益2.6%増どまり 世界経済減速 国内への資金還流増」という記事が掲載されていました。

使ったデータは財務省・日銀の統計から整理した「直接投資収益」で、これは海外現地法人から受け取る配当・利子に現地に内部留保される金額を加えたものです。また、「直接投資収益(受取ベース)」はここから現地内部留保分と本邦内外資系企業が外国の本社に支払った分を除いた金額です。掲載したグラフは日本経済新聞から引用したものです。


このデータが読み取った記事の趣旨はこうです。

すなわち、経済のグローバル化の波を受けて生産の海外シフトが続き、2012年頃から海外投資収益が増えて、2017年までは年率22%の高い伸びを示していたが、ここへきて米中貿易摩擦や英国のEU離脱などを背景に世界経済への不安が広がり、資金の国内回帰が始まったとしています。


国内回帰は日本だけではないが、例えば米国の場合は国内経済が堅調であり、還流した資金は設備投資に回される一方、日本ではいずれ海外に再投資する可能性を信じて国内に一時待機するだけであると。


日本経済は、「ものづくり」で生きてきましたが、世界の生産工場を中国や東南アジアが担うようになり、食い扶持は海外投資で稼ぐ体質に変質していたようです。


日本人が豊かな生活を謳歌できているのは、「ものづくり」時代は輸出のおかげ、グローバル化以降は海外投資収益のおかげ・・・ということなのでしょうか。そうすると、海外投資収益が頭打ちになった先にあるのは何でしょうか。身の丈に合った時給自走経済?



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